Mar 23, 2009

モノがたりのあるモノづくり


昨年末から、日本酒について勉強しています。
酒造りの工程から、味の分類方法、酒米や麹の品種、
全国の蔵元の名前に、そこで醸されるお酒の名前…

正直、数えきれない情報量に全て憶えられる気がしません。
ただ、そこで私自身がとらえたのは、
どれだけそれの種類を細分化して暗記しようと、
それらは作り手がいる「作品」だということ。

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長い間女人禁制だった酒造の世界を変えた、
女性の杜氏(製造責任者)がいます。
会津若松の「鶴乃江酒造」。
長女のゆりさんとお母さんの二人三脚で造られたお酒は
繊細で優しくて、上品なゆりの花のよう。
彼女の酒造りへの真面目で細やかな気働きが
「ゆり」というお酒を生みました。

京都府京丹後市の「木下酒造」にて
杜氏を務める英国人、フィリップ・ハーパーさんは
日本で唯一の外国人の杜氏です。
英語教師として20年前に訪れた日本で日本酒に出会って以来、その味に魅了され酒造の世界に飛び込んだそうです。
厳しい杜氏の資格をくぐり抜け、杜氏が亡くなり経営が傾いていた木下酒造にて抜擢着任後すぐに金賞を受賞、今や地元には彼の応援団まであるという人気者です。

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作り手の物語を知ってはじめて、
つくられる「モノ」がこれまでと違った光を放ち出す。
そんな経験、誰もが少なからずあるのではないかと思う。

「モノがたりのあるモノづくり」
―それは作り手と使い手をつなぐ絆であって、
従来の顔の見えない大量生産・消費型を越えた
あたらしい人とモノとの関係づくりなのだと思う。

倉敷意匠 Classikyは、岡山県倉敷を拠点とする雑貨メーカー。
ひとつひとつが伝統受け継ぐ職人さんと、
ヨーロッパのデザインや若手デザイナーさんとの
コラボレーションでつくられた素敵な日用品。
変に飾ることなく、しかしシャンと背筋の伸びた姿勢を
各プロダクトから感じるのは、
それら自体が職人さんや作家さんについて語り出す、
story-telling魂が吹き込まれているからなのかも。
そんなモノたちとつくり人たちを
これからたまに紹介していきたいと思います。

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